【1年・にんげん科】加藤りつこさん 特別講演
1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災から今年で29年目を迎えました。盈進では、1年生対象に加藤りつこさんによるにんげん科特別講座を行っています。今年は、1月19日に行いました。
加藤さんとの交流は2012年3月からヒューマンライツ部との交流がきっかけとなり現在に至っています。
阪神淡路大震災で最愛の一人息子の貴光さんを亡くされた加藤さん。
貴光さんと過ごした日々(特に、中学時代、高校時代)のお話や、貴光さんが夢を見出しそれに向けて全力で取り組む大学受験の様子、そして、震災当時のお話など様々な視点からお話をしていただきました。
特に、「目標を持つこと」「読書の重要性」そして「何のために学習するのか?」についてお話をいただき、生徒は必死にメモを取りながら真剣に学習しました。目に涙を浮かべながら聞いている生徒もいました。
最後に、貴光さんが書かれた生涯でたった1通の手紙「親愛なる母上様」を聴いて講座は終わりました。
震災で大切な人を失う悲しみから学び、自分自身の命を守ることができるよう防災意識も高めていきます。また、今この時間を大切にし、「仲間とともに自分で考え自分で行動する」という盈進共育のもと何事にも全力で取り組んでいくことを再認識しました。
加藤さん、貴重な講演をしていただき誠にありがとうございました。
生徒感想より
私には、将来の夢がありませんでした。ですが、今日の講演会を聞いていて「私は国のため、世界の為に働きたい!」と思いました。そこで、私は先日見たニュースを思い出しました。ウクライナの戦争でもがき苦しむ子どもや赤ちゃんを抱えたお母さんが血を流し、医療を受けるまでまつ様子、必死になって戦う男性たち。その時、私は「この人達の傷を治したい」と思いました。そして、今日の講演会で決心しました。私は医者になります。盈進中、盈進高校で基礎を身につけ、貴光さんの進んだ神戸大学で医学部に入って、外科医になります。りつこさん、私の目標を立てる種を創ってくださってありがとうございます。次は、私がりつこさんからもらった種を咲かせてみせます。
私は今まで、大震災のことや戦争のことなど人の命が奪われるものは怖くて、避けてきました。ですが、震災などは避けられないことで起こってしまった事実も変わらないと改めて学びました。貴光さんのように、私も目標を持って努力を続けていきます。
能登半島地震のことも避けず、自分でできることを考え、何か役に立てる人になりたいと強く思いました。今、13歳ではできないことも、25歳にはできるようにと諦めず目標に向かっていきます。また、人との出会いや仲間、家族を大切に日々を全力で過ごしていきます。
私が特に心に残っているのは、何のために勉強するのかについてです。りつこさんは「出会い」のために勉強をするのだと教えてくださりました。
私は勉強をすることを苦に思っていません。しかし、楽しいと思えているわけでもないです。勉強が嫌いではないけれど、ただ漠然と授業を受けています。私がなぜ勉強が好きだと思えないのか、それは目標がないからなのだと今日気がつきました。
貴光さんが神戸大学に行きたいという目標があったからこそ、図書館の本が1年でどれほど読めるのか挑戦することを決めたからこそ、努力できたのだと思います。だったら、私も目標を立てようと思いました。急に決められないので、まずは素敵な人と出会うことを目標にします。素晴らしい人と出会って、また新しく自分の将来を決めるような目標を立てていきます。
目標を立てた今日、すでに達成できました。加藤りつこさんとう素敵な人に出会えたから。私は将来何らかの形で被災した地域に支援が出来るような仕事につきたいです。それも、日本だけではなく海外で活躍できるような。今日という日に素晴らしい出会いがあったことに感謝します。