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2012年9月30日 (日)

[中高/ヒューマンライツ部]「福祉エッセイ」(全国)で最優秀賞受賞

第10回高校生福祉文化賞エッセイコンテスト「36°Cの言葉」(日本福祉大学+朝日新聞社主催)において、5年(高2)重政陽美さん(ヒューマンライツ部副部長)が「わたしが暮らすまち」部門で最優秀賞を受賞する通知をいただきました。

昨年は最優秀賞と優秀賞、今年も最優秀賞の受賞となりました。最優秀賞受賞は3回目。11月19日(日)、愛知県の日本福祉大学で表彰式があります。11月3日(文化の日)、『朝日新聞』全国版に名前や文章(全部)が掲載されます。

重政さんは、本校や広島女学院高校、沖縄尚学高校と共同開催の「2012年度(第5期)核廃絶!ヒロシマ・中高生による署名キャンペーン」の本校の実行副委員長。放射線被害からの避難者との交流や署名活動を通して感じたこと、考えたことをまとめました。

受賞は、いつも活動を支援してくださる地域のみなさん、学園、家族、そして、これまで様々な活動を継続してくださった先輩方、いつもいっしょに活動する仲間たち(他校含む)に改めて感謝する契機になりました。

第10回 高校生福祉文化賞 エッセイコンテスト( 日本福祉大学 朝日新聞社 )応募文書
テーマ : 「 わたしが暮らすまち 」(字数制限800字)
タイトル : 私の原点 -ふるさと広島の街角-
最優秀賞受賞(11.09.14, 大学から速報)
盈進高等学校 ヒューマンライツ部 副部長2年 重政陽美

「今一番、ほしいものは何?」「放射能のない世界」。春休み、福島原発の事故による放射線被害から避難してきたご家族との交流会。私の質問に小学5年生の男子が小さい声で答えた。「家族で、避難する、しないで言い争い、けんかすることもあった」とその子のお母さん。新聞で読んだことを生で聞き、体が震えた。放射線は家族の絆まで壊し、大切なふるさとを奪っている。
「もう誰にも自分と同じ思いをさせてはならない」。広島・長崎の惨禍を生き抜いてきた被爆者の素朴で崇高な願い。私は広島に暮らす人として、このメッセージに誇りを感じ、そして、後世にどうしても届けなければならないと思っている。だから私はこの夏も、核廃絶の署名活動で街角に立つ。それが私の原点。
これは他校と合同の活動。他校の仲間から趣意書の原案が送られてきた時、「核兵器廃絶」のみを訴える文面に私は納得できなかった。現在の放射線被害者の思いが入ってなかったからだ。
正式な趣意書は、合同の事前学習会を開き、その場で討論して作成する。私は、福島の方々の不安や怒り、避難者の悲しみを、他校の仲間に必死に伝えた。そして次の言葉を盛り込むことができた。
「何よりも重い人間の命」「現在、日本は、67年前のあの日と同じように、放射能が環境や人体に深刻な影響を及ぼすという事実に直面しています。『核と人類は共存できない』。今、未来の社会を担う私たち中高生が、この言葉を胸に行動を起こします」
額に汗かき、一筆一筆、炎天下で署名を集める。その行為は、最小効果しかないかもしれない。でも、核という最大効果をもたらす巨大なエネルギーで亡くなった命と現在もそれによって脅かされている命を思い、私は街角に立つ。そして、私の暮らす広島を原点にすえ、福島をとらえ、未来を考える。それが世界で唯一の、核兵器被爆国であり、原発事故による被曝国となったこの国に暮らす私の責任であり、義務だと思うからだ。